日々

lxngdh2006-01-24

  • 起床..と言いたいところだが、具合がすこぶる悪い。ノドが痛い。寒気がする。午後には出勤するけど..
  • Gordonの訳文を推敲。そののち添付ファイルで送信。
  • 体調は戻ったけどノドは痛い。のど飴、買おうかな?
  • Yahooニュース。ジャニーズの某アイドルが「キャリアデザイン学部 キャリアデザイン学科」に合格したそうな。なんだかアホっぽい学部名だなぁと思ったり。「学士(キャリアデザイン)」って一体…。
  • 以前、友人と「学部名に"情報"、"国際"、"環境" なんかが入るとアホっぽいよなぁ…」とかいう話をしたことがある(予算が付き易くなるのかな??)。…もっとも、僕自身「人文社会科学部 人文社会学科」に所属していたことがあったり。もらえる学位が「学士(総合学)」だと聞いた時、「なんじゃそりゃ!?」とか思いましたけど..
  • 午後、出勤。エスタの地下食品街で「どさんこワイド」の中継に遭遇。木村洋二ANが青果物を紹介していた。ケーブルがちゃんと養生されているかチェックしちゃったり(笑)。
  • 今日は学部ゼミの最終回。授業アンケートをしなければならないらしい。いつもより早めにゼミ室に向かう。
  • 16:30。アンケート用紙をゼミ生に配布する。
  • 15分遅れでゼミがスタート。[ピックアップ上告審(オリンパス)]。職務発明の事件。
  • あまり重要なポイントではないが、「職務発明」(特許法35条)と「職務著作」(著作権法15条)では規定振りが全然違う。「職務発明」の場合、権利(特許を受ける権利)は原始的には個人(=発明した従業員)に帰属し、それが会社に承継される、というスタイルをとる。一方、「職務著作」は法人(=企業)を著作者(←著作権者でない点に注意!)としてしまうので、権利は原始的に法人に帰属する。「権利の承継が絡む/絡まない」の差なのだが、「絡まない」となると「対価」はゼロになる。同じ知的創作物であっても、理系型の「特許」であれば会社からお金がもらえるが、文系型の「著作物」ではもらえない、ってことですね…。別に冷遇されてるとは思わないけど。まぁ、そういうものなのでしょう…。
  • オリンパス事件。原告の発明によって企業は億単位のライセンス収入を得ているのだが、原告に支払われた対価はたったの21万円。原告は「9億円よこせ!」と会社(=オリンパス社)を訴えた。結局、裁判では250万円が認められた、というのがこの事件。「対価に不足があれば従業員は事後的・追加的に不足分を使用者(=企業)に請求できる」という点を明らかにしたのが重要。この判決が出たせいで、その後「日亜(青色発光ダイオード)」、「日立(光学情報処理装置)」、「味の素(アスパルテーム)」と職務発明事件(それも高額対価を認容する判決)が続いた。
  • 250万は高いか低いか?(ちなみに原告は当時年収500万弱)。ゼミでは「1千万ぐらい認めてもいいのでは…?」的な意見があったり。もっとも、職務発明の場合、「1人の天才のおかげで発明が完成した」というのはちょっとどうかなと…。研究はチームワークでしょうし、それに収益を上げるには他の従業員(それこそ営業部門とか)の努力も重要でしょう。「独り占め」というわけではないにせよ、「俺一人の手柄だ!」とまでは言えない気がします。
  • 加えてリスクの問題。「サラリーマンはリスク・アバース(risk averse)なんだから…」とまで言い切っちゃう気はないが、市井の発明家(ドクター中松?)なんかと比べればリスクは低いと思われる。むしろ投資のリスクや失敗のリスクを負っているのは企業側。そもそも従業員は「君は○○の研究開発に従事しなさい」と言われたから(=業務命令)、開発・発明したに過ぎないのだし。もっと言っちゃうと、「ピックアップ装置」は利用発明だから、別にこの人が発明しなくったって、早晩、他の人が発明しえたものなのかもしれない。そう考えると「天才に報いる」的な発想はやっぱり取り辛いな…。
  • 最後にインセンティヴの点についても指摘しておきたい。果たして原告が要求する9億円は発明促進のインセンティヴになるのだろうか?つまり、発明の段階で「ここで1発あてれば億万長者だ!よし、頑張るぞ!」というのであれば「9億なかりせば発明なし」の関係が成り立つから9億円がインセンティヴとして機能していることになる。しかし「発明はたまたまで、別に9億もらえると思ったから発明したわけではない」というのであれば、9億円はインセンティヴになっていないことになる。この場合、9億円は「分け前をよこせ」と言ってるだけなので、株主なんかが主張するなら格別、従業員が言うべきことじゃない気がする。
  • もっとも、「いやいや。今回の判決は日本の研究者達にとって励みになったはずだし、研究者の意識も変わったはずだ。イチロー級の収入が得られると分かったら、研究者をめざす人も増えるかもしれない」という形で、社会全体から見れば(風が吹けば桶屋が儲かる的に)、インセンティヴが醸成されるのかもしれない。しかし、この場合でも「ではなぜその負担をオリンパス1社が負担しなきゃいけないのか?」の説明が難しい。社会全体の利益はそれこそ政府が考えるべきものであって(=科学者振興政策とかCOEプログラムとか)、オリンパス1社が9億円をドンと負担すりゃいいってもんじゃないでしょ?(※この点につき、「宝クジ理論」とかいうのがあった気がするが割愛)
  • さて、以上のような点につき、オリンパス事件とは事情を大きく異にするのが「例の」青色発光ダイオード事件 (東京地判平16・1・30)。1審が認定した対価額は600億円(一部請求だったので満額の200億を認容)。久米宏(@ニュースステーション)にも取り上げられた、以下の判決文は有名。

…本件は,当該分野における先行研究に基づいて高度な技術情報を蓄積し,人的にも物的にも豊富な陣容の研究部門を備えた大企業において,他の技術者の高度な知見ないし実験能力に基づく指導や援助に支えられて発明をしたような事例とは全く異なり,小企業の貧弱な研究環境の下で,従業員発明者が個人的能力と独創的な発想により,競業会社をはじめとする世界中の研究機関に先んじて,産業界待望の世界的発明をなしとげたという,職務発明としては全く稀有な事例である…

  • いろんな意味で青色発光ダイオード事件は特殊でした。まず発明したものがメチャすごかった!もうノーベル賞級。それに原告は会社側の指示には逆らってGaNの研究を続けていたため、(幸か不幸か)チームの貢献が得られなかった。加えて、原告が会社からもらった対価はたったの「2万円」ぽっち(!)だったのに対して、この特許のおかげで、徳島県のちっぽけな中小企業だった日亜化学は、法人申告所得だけなら新日鉄を抜いちゃうような大会社に発展しました(数年前のデータですけど..)。なにもかもが「稀有」だったんです。(※あと1審は、日亜側弁護士さんの攻め方がちょっとマズかったかもしれない。「ダイオードは赤字です。だから対価はゼロなんです」って主張してたはず。裁判官も「んなアホな!?」と思ったのかもしれない)。
  • で、ゼミ。最終回ということもあって、いつもにも増して質問が飛んでいた気がする。あるいはテーマが取っ付き易かったのかもしれない。自己実施型での「使用者の受けるべき利益」は難しいよねぇ…。
  • 今日のゼミはおみやげのお菓子も充実してました。イタリアの「チョコ」(←助教授曰く「この手のチョコは世界中で見るなぁ」とのこと..)と沖縄の「ちんすこうショコラ」と愛知の「きよめ餅」。一番美味しかったのはきよめ餅でした(※ こちら )。
  • 19:30前、ゼミ終了。今年度はこれでおしまい。お疲れさまでした!
  • 研究室。中学時代の旧友からメールが来てた。午前中に書いた日記を読んでくれたのか「ノドが痛い時にはヴィックス・ドロップがいいよ」とのこと。ありがとう!早速試してみるよ。
  • 20:00前。「ゼミ打ち上げ、どうしようかなぁ…」とちょっと逡巡したのだが、せっかくなので参加。とりあえず居酒屋「三百円」に移動。
  • 20:20、打ち上げスタート(※写真参照)。いきなりウィスキーをロックで注文してしまう。そんなに強い訳でもないが別にツブれはしないだろう(たぶん..)。
  • イタリア帰りの後輩Sが「私は目黒区に住んでいた!松田聖子の家も近かった!」とか主張していた。何かの間違いじゃないだろうか?(笑)。ついでに「来年は毎日、車を運転します!」とも言っていた。こちらの発言も何かの間違いであって欲しい…(←冗談ですよ..)
  • その後もウィスキーを飲み続ける。あと日本酒(冷)とか。「4年生と飲むのは最後かもなぁ…」と思い、主として4年と飲んでいた。
  • 22:30前、1次会終了。そのまま2次会へ。この時点で早々に「終電」という選択肢は捨てる。
  • 2次会は駅近くのカラオケ・ボックス。大体20名弱。「語り系」(@エレベーターホールの椅子に座りつつ..)と、「歌い系」(@14号室のカオス..)を行ったり来たり。
  • 「語り系」。助教授・後輩としみじみ(?)語る。恋愛だったり就職だったり…。
  • 「歌い系」。カオス。後輩が脱いでいた(あるいは「脱がされていた」)。アルコールのせいなんだかアルコールを飲んだ人の呼気のせいなんだか知らないが、妙に空気が湿っぽかったり…。
  • 26:00過ぎ、終了。タクシーで帰宅。運ちゃんとテキトーに会話。「創生川アンダーパスの工事ってもう始まってるんですねぇ」とかなんとか。深夜2割増だったので1800円。
  • 27:00、就寝。やべぇ、咳が止まらない…。