「物のパブリシティ」というのは…

正確な説明は無視して大雑把に説明するとこんなかんじです。


例えば"あやや"を自分で撮影した場合、そのあややの写真の著作権は撮影者に帰属しますから本当ならその写真は撮影者が自由に使用することができるはずです。その写真でカレンダーやポスターを作成・販売することも自由です。


しかし、「人」の場合は人格権(面倒なのでここでは「肖像権」と同旨だと思って下さい)がありますので、被写体となった人(=あやや)が「イヤだ」といえばポスター等を差し止めることができます(判例)。


さてここからが問題なのですが、では被写体が「物」であっても同様に差し止めることができるか?というのが「物のパブリシティ」の問題です(正確には、差止請求と損害賠償請求を個別に考える必要があるのですが、無視。)。例えばチワワの"くうちゃん"を勝手に撮影して、その絵葉書が作成販売された場合、くうちゃんの所有者(飼い主)がその販売を差し止められるか、というような問題です(ちなみに法律上、犬は「物」のカテゴリーに入ります)。この点につき最高裁は否定的でして「物ではダメ、人のみ」という判断を今年の2月に下しています。


「物のパブリシティ」については条文がないだけに、各法学者の「裸の知的財産権観」が垣間見られてオモシロイ分野です。