「踊る大捜査線」再考

以前に「いずれ書きます」と言っておきながら、長らく書いていなかった『踊る大 走査線 捜査線(レインボーブリッジを封鎖せよ!)』の感想をば。

(1):橋の封鎖
青島がレインボーブリッジを封鎖しに行くシーン。国土交通省だか東京都庁だかの役人がやってきて「橋の通行は道路局の管轄。下の鉄道は鉄道局の管轄。勝手に封鎖してもらっちゃ困りますよ!」という趣旨の発言をする。「タテワリ行政の弊害」を皮肉ってるんでしょうね。でもこんな場面は正に「腕の見せ所(?)」なわけですよ!ルール(=それが慣習やしがらみによるものであれ、公式の法や条例によるものであれ)が絶対なら、「今は緊急事態なんです」とか「そこをなんとか…」みたいな泣き言をぬかすんじゃなくて、当該制約下で、ルールに則りつつ、相手の裏をかいていくやり方が僕は好みだなぁ。例えば、橋を封鎖したいんだったら「橋に通じる道路」は警察の管轄なんだから、こちらを全て通行止にしてしまえばいい(=誰も渡れない)。真正面から「橋を止めるには、橋を封鎖する」という発想で攻めるのはバカ正直過ぎる。もっと頭を使うべきだな。

(2):女性管理官
僕は別にフェミニストって訳じゃないですけど「やっぱりオンナはダメなんだ」「オンナはヒステリックで、大事な時に役立たずだ」的な描き方はちょっとどうなんでしょうね。考えすぎかも知れませんが。ただ、ああいう場面を描くことで男性観衆が「ほらみたことか!」と喝采を叫びつつ、「ホッとする」のだとしたら、そういう意識は良くないでしょうね。

(3):仕事へのプライド
他人の仕事をバカにするのはよろしくない。「お前の仕事はくだらない」とか「やってもやらなくてもいい仕事だ」とか。みんなそれぞれ(学生のアルバイトでさえ)プライドを持って仕事をしてるんだから、それを逆なでするような発言はやめるべき。例えばNTTなんかで「大雪の中、電話線をヒーコラヒーコラ補修してる奴らはバカだ。あいつら所詮高卒だし。あいつらの代わりなんていくらでもいる。でもおれは一流大を出た総合職で幹部候補だ。いずれはこの国の通信政策を担う人物になるんだ」って思ってるヤツがいたとしたら(多分いる)これはちょっとイタイ。いや、そういう野心や目標を持つのはいいんだけど、だからと言って他人の仕事をけなしていいわけがない。他人のプライドをズタズタにすることで自分のプライドを磨いていくようなヤツは大嫌い。

(4):組織論
これはよく分からない。いや、思うことはいくつかあるけど、サラリーマンの経験がないのにしゃべっても説得力がないでしょ?シラケムードが漂いそうだ。むしろhamtaro君あたりの論考をお読みになった方がいいでしょう(※ ここ の上の方のエントリとか色々..)。ただ、1つ考えたのは「上司と部下ならどっちになりたいか」ということ(給料は無視する)。さてさて、みなさんはいかがです??僕は部下の方を選びますが、その理由はヒミツです。